アーク溶接のやり方についてです。
私が大学時代にマスターしたコツについて書いています。
アーク溶接はよく工事現場とかでみる、バチバチと火花を飛ばす方法ですが、素人でもちょっとした練習でできるようになります。
まずは、道具が必要ですね。
・アーク溶接機
・溶接棒
・お面
・クリップ、バイスプライヤ
・皮の手袋、エプロンなどの防護服
・スタッパ用ハンマー(スパッタ:溶接カスをたたき落とすハンマー)
という物が必要となります。
アーク溶接機についてはブログの方にも書いていますので、そちらをご参照ください。
溶接するための条件ですが、
早い話、部材がすべてアースされていればいいんです。
小物であれば鉄製の溶接用工作台を作るのも良いでしょう。台ごとアースしてしまえば、作業は楽です。台の上にあるものすべて溶接可能です。
感電が心配な気もしますが、普通それは問題ないですね。(まぁ、当然皮の手袋とかしていますが。)
ただ、今回の擬岩の構造体の様に空中で鉄骨を溶接するとなるとこの方法は採れません。ですので、クリップでアースし、さらに溶接したい部材を両方しっかり留める必要があります。
溶接機についているクリップのようなもので固定したら良いと思います。
私の場合、下の写真にあるようなバイスプライヤを使いました。
(写真をクリックすると詳細情報がわかります。)
ただ、スパッタが飛んで付着してしまうので結構もったいないかも(^^;
さて、肝心の実際のアークの飛ばし方ですが、溶接棒で部材をカチカチたたいてきっかけを作ります。
数回たたくと、突然「ボーッ」という音がしてアークが飛び始めます。
やってみると、すぐにわかるのですが、
飛んだのにびっくりして離してしまうとアークが止まってしまいます。
ですがアークが飛んだ直後はアークは飛びやすいんですよね。まだ溶接棒の先が赤い状態であれば、すぐにアークが飛びます。
つまり、他の部材で溶接棒をたたいてアークを仮に飛ばし、その直後に溶接したい箇所に当てると比較的簡単にアークをとばせます。
鉄板の上で作業をするのであれば、他の鉄材(なにかの切れ端で良いです。)をこの仮アーク用に使うと部材を汚さずに良いと思います。
(今回の擬岩の鉄骨では、どうせ見えないので、部材をたたきまくっています。苦笑)
かぶったことがある方であればわかると思うのですが、アークが飛ばない状況だとまったく見えないんですよね・・・・・。
値段の高いお面はアークが飛んでる瞬間暗くなるのもあるようなのですが、普通はそんなのには手が出ません。
よく、左手に持ってやるタイプがありますが、これだと左手を使えないので、大変です。
かぶるタイプで、遮光板を開け閉めできるタイプがお勧めです。
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こんな感じのお面ですね。
左手はあいていますので、直前まで遮光板を左手で開け、アークをとばす瞬間に閉める、ということをやりながらやっていました。
溶接棒をくっつけすぎると、部材にはり付いてしまいます。
離しすぎるとアークが飛ばなくなる。
同じ場所でアークを飛ばし続けすぎると部材が溶け落ちてしまいます。
溶接棒と部材との間にある一定距離を置きながら、左右に動かしていく・・・・。こういう感じになります。
でも、その動かすのが早すぎても駄目です。
よくやる失敗が、スラグだけでくっついている状態。これは、溶接棒が溶けた物だけでくっついていて、部材そのものが溶けていない状態です。
アークが飛んでいる最中、部材をよーくみると、部材が溶け出すのがわかるはずです。
赤い溶けた中に黒い部分が流れ始めます。(何回かみていると、わかるようになります。)
溶接した盛り上がりの部分をビードといいます。
よく鉄の管とかに溶接痕がついているのを見たことありませんか?よく見ると貝殻みたいな模様が連続してついていり状態。
これが理想の溶接痕ですね。
溶接は接着剤とかの固定方法に比べると圧倒的な強度が出ます。
今まで取り付けられなかった物が固定できるようになるわけです。
擬岩の骨組みも溶接のおかげで相当な強度が出ました。
これを針金とかでの固定では、ここまでがっちりは作れません。
なんでも作れるような気がしてきて楽しいですよ。
それこそ、ガラクタからオブジェも造れます!
「スタッパ」じゃなくて
「スパッタ」ですよ。
通りがかりさん、ありがとうございます!
お恥ずかしい話しです(^^;
修正しておきました。