アンティークチェアのフレームを組み直します。
さて、パーツもきれいに洗いましたので、お次の作業はフレームの組み直しです。
相当バラバラになっちゃってますが、これを組み直すわけです。
まず必要なのが膠です。
これはパールグルーといわれているものです。
こんな風にツブツブです。
今回の作業では一握り程度を使います。
別の入れ物に移して、水を入れておきます。
だいたい2cmくらい上まで水を入れます。
で、一晩ほど放置。
次に壊れたフレームの再チェックです。
これは背板部分のフレームです。
ダボ穴はありますが、バックリ割れていますね。。。
背板上部分と組み合わせるとこうなるわけです。
結構色落ちして見えるのは、お湯をかけたためです。
熱いお湯をかけるとシェラック塗装が白くなっちゃうんですね。
これは後で塗り直します。
こちらも相当な折れです。四角いのは背板の横板のホゾです。
これは脚部分。
組み合わせてみた時の写真ですが、完全にバックリ折れています。
修理したあとがありますが、それが再度はずれたという感じですね。
まぁ、そもそも非常に繊細な椅子です。折れても仕方ないですね。
この折れ部分ですが、ネジで留めてありました。
本来は、中に芯を作り直した方が良いのですが、このネジで再度固定することにします。
さて、膠ですが・・・・
一晩置くと、水をすっかり吸い込んでいました。
で、カチカチだったパールグルーはちょっとグミっぽい固さに。
これをさらに湯煎するわけです。
湯煎はホットプレートを使いました。
しばらく熱していると、どんどん溶けていきます。
どのくらい溶かすかということですが、
筆につけて持ち上げ、そのたれ具合でみます。
滴が糸を引くようにツーっと落ちるようであればOKです。
ポタポタするようではまだ堅すぎです。
これを筆で接着面両側につけます。
で、すぐに固定。
あらかじめありとあらゆるクランプを用意しておきます。
この椅子は左下の脚の折れ部分と、右下のボーダのゆるみ、
背板部分のゆるみの修理です。
背中部分はベルト式のクランプを使います。
これだと結構広範囲をしっかりと固定できます。
RILIEF木工用ベルトクランプ (14408) これですね。
一つ持っておくと便利だと思います。
こちらは背板フレームがバラバラになったやつです。
ひもでくくっています(笑)
本当はきちんとクランプした方が良いです。
プロはこのカーブにあわせて板を切り、それをガイドにしっかりと固定します。
さて、この状態でしばらく放置します。
最低でも24時間。長ければ長い方が良いですね。
背板がバラバラになったフレームです。
しっかりと固定されています。
さすが、膠としかいいようがないです。
下手なエポキシ接着剤より強いんじゃないでしょうか?
まっぷたつに折れた脚です。
塗装の汚れはありますが、こちらもしっかりとついています。
この状態で裏側からネジで留めました。
元々あいていた穴ですが、もう少ししっかり留まるよう、少しずらしてあります。
裏返すと、そのネジがわかりますね。
ひび割れ部分とかまだありますので、今度はそれを埋めにいきます。
ちょっと色が薄めですね(^^;
(写真でみるとわかるのですが、肉眼ではほとんど見分けつきません。)
この埋めるのはできたらシェラックベースのものが良いです。
半田で溶かしながら埋めていくものです。
ホームセンターにも売っていますね。(家具の傷隠しなどといっしょのところです。)
(ジョイフル本田には売っていました。)
埋めたところがなめらかになるように削っていきます。
こちらも写真では目立ちますが、肉眼ではほとんど区別つかない程度まで仕上がっています。