アンティークチェアの塗り直し-フレンチポリッシング (7)

アンティークチェアの塗り直し
アンティークチェアの塗り直しです。

シェラック塗装フレンチポリッシング)です。

さて、アンティークの塗装ですが、シェラック塗装という方法をとります。

このシェラックというのはカイガラムシからとれる体液?から作られるものだそうで。
そもそもは日本のにあこがれていたのですが、手に入らないので代替物としてシェラックを発見したとのこと。

そのシェラックですが、精製、乾燥したものが売られています。
私も英国に住んでいたとき、このときのために買っておきました。

買ったのはレモンシェラックというものです。
フレーク状になっています。

アンティークチェアの塗り直し

こいつをアルコールに溶かして使います。

使用するアルコールはできるだけ純度の高いものを使います。
メスといわれるメチルアルコール無水エタノールですね。
どちらでも良いようです。

英国ではもっぱらメスというメチルアルコールでしたので、こちらを使うことにします。
(結構手に入れるのは大変なので、無水エタノールの方が楽だと思います。)

アンティークチェアの塗り直し
こいつがメスですね。こういう色が付いています。
独特のにおいがします。そういれば英国で買ったシェラック液は同じにおいがしていましたね。

これを溶剤にして溶かします。
溶かす分量ですが、本来はCUTという単位を使うようです。
だいたいですが、シェラック12gに対しアルコール100ccで1CUTです。

今回は2CUTを作りますので、シェラック24gをアルコール100ccで溶かします。

アンティークチェアの塗り直し
こんな感じですね。

精製度が高ければきれいに溶けると思います。

私の使ったシェラックは不純物が残りました。
まぁ、濾して使っても良いですが、下記にあるようなrubberと言われるものを使いますので、そのまま使用しました。

ちなみに溶かしたシェラックは長くは持ちません。
半年くらいですね。

で、そのrubberですが・・・
アンティークチェアの塗り直し
早い話、綿を布でくるんだものです。

今回は古くなったハンカチを使っちゃいました。
そこに綿を入れて、しっかりとくるむわけです。

で、その中の綿にシェラックを染みこませます。

アンティークチェアの塗り直し
こんな感じですね。

要は濾しながら薄く塗っていくイメージです。

フレームですが、#0000のスチールウールで軽く磨いておきます。
本当はきちんと古い塗膜もはがした方が良いのでしょうが、手抜きです(苦笑)

アンティークチェアの塗り直し
こんな感じで塗っていきます。
これはちょうど折れた脚を塗っているところですね。

一度に塗るのではなく、さっと塗っては乾かして塗るの繰り返しとなります。
薄い塗膜をどんどん積み重ねていくイメージですね。

アンティークチェアの塗り直し
割れた背板部分も塗り直しです。

相当白っぽくなっていましたが、ずいぶんと元に戻ってきています。

アンティークチェアの塗り直し
こちらは折れた脚。
こちらにもシェラックを塗っていきます。

写真だとちょっとわかりますが、実際にはもっと濃い色ですので、肉眼ではほとんどわからない程度にまでなっています。

さて、完全にシェラックを乾かした後は、ワックスがけをします。

ワックスは#0000(番手です。0が多いほど細かいです)のスチールウールを使います。
これ、英国で買ってきたものですが、ジョイフル本田に同じものがありました!

まるで綿のようなスチールウールです。

アンティークチェアの塗り直し

これでビーズワックスをしっかりと塗っていきます。
アンティークチェアの塗り直し
深いつやがよみがえってきます。

さて、これでフレームが仕上がりましたので、お次はリアップホルスタリー作業ですね。
座面を作り直すわけです。